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2013年08月15日

平和を願う

68年前の8月9日。

第二次世界大戦の際、アメリカ軍によって私の生まれ育った長崎に原子爆弾が落とされた日です。
長崎市の人口推定24万人のうち15万人が負傷、そのうち7万4千人の命が奪われたとされています。68年経った今でも生き残った被爆者の方々は、放射線による身体的な被害に加え、精神的な心の傷を抱えています。

長崎県内の各学校は、8月9日は登校日となっており、
平和学習会が開催され、被爆者の方の講話を聞いたり、劇や歌を歌ったりする日となっています。
セミの声が聞こえる蒸し暑い中、原爆投下日時の11時2分、一分間黙祷します。

どうかどうか、人が人を殺すことのない平和な世の中になりますように
戦争がない平和な世界になりますように
ひとつでも多くの笑顔が増えますように…

私にとって8月9日は、1年365日のうち最も強く平和への思いを馳せる日でした。


そして、今年2013年。
ニュージーランドに来て、人生で初めてセミの声を聞くことなく迎えた8月9日。
ニュージーランドでの8月9日は、
いつものように何事もなく過ぎました。

何事もなく仕事に行き、
何事もなく笑顔でお客さんたちと会話をし、
何事もなく通りを歩き、
何事もなく一日が終わりました。

テレビのニュースも見てみたけれど、特にナガサキについての報道を見ることはできませんでした。

日本にいると、平和記念式典の様子だったり、あるいは長崎市長による長崎平和宣言をはじめ総理大臣による挨拶等が新聞記事一面を飾ります。テレビのニュースをつけるとどれも長崎についての特集があっています。


ニュージーランドヘラルドという新聞のホームページに目を通してみましたが、特にそれらしき記事を見つけることはできず。
日本を一歩離れてみて、
8月9日だからといって、人々がナガサキについて特に意識を向けることはなく、こうしていつもどおり過ぎて行く普段と変わらない一日なのだ、
長崎で何が起きたのかよく知られていないし、あぁまだまだこれが現実なのだ、と感じました。

自己紹介をするとき、
youmeといいます、
日本の長崎出身です、
長崎は原爆投下の地で、歴史的で平和的なまちなのだと紹介します。

ニュージーランドにいる間にも、こうして少しでも多くの人にナガサキについて紹介し知ってもらい、平和について考えてもらうきっかけ作りをすることが、今の私にできることだと思います。早速ルームメイトとナガサキについて話しました。


今日もまた朝日はのぼります。
平和な日常が続く幸せ、
今日もこうして
あたりまえに三食食べ、
笑顔ある会話を交わし、
あたたかなベッドで眠ることができる幸せ。

その幸せをかみしめて一日一日を過ごしていきたい、
そんなことを考えた8月9日でした。


(youme)
posted by キックオフNZ at 00:00 | Comment(2) | NZ Life
この記事へのコメント
youme さん、いいこと言いますね。

8月6日も8月9日も、ニュージーランドではヒロシマやナガサキのニュースはほとんど流れないです。でも、知っている人は知っているし、考えている人は考えていると思います。
Posted by Kickoff-T at 2013年08月16日 15:09
ありがとうございます。
ニュージーランドだけでなく、世界中の一人でも多くの人々にヒロシマ・ナガサキのことを知ってほしい、今ある平和な日常について考えて見てほしいと心から思います。
同時に、私自身も世界で起きているいろんな事象に目を向け、考えなければならないなと感じています。
Posted by youme at 2013年08月17日 21:21
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