子どもと一緒に算数の宿題をやっていて、ふと気付いたこと。
ニュージーランドの「九九算」は9×9=81で終わりでなく、1ダース分の12×12=144までありますが、いつの間にか、それを言えるようになっていました。
自分が覚えたい英語の文法や単語は、なかなか覚えられないのに、覚えようとも思わないmultiplication tableは、リズミカルに言えるようになってしまって、なんだかな〜と思う今日この頃です。

先週、ニュージーランドでは、クライストチャーチの大規模余震に、チリの火山噴火による飛行機の欠航、そしてニュープリマスで発生した竜巻と、自然災害のニュースが相次いでいました。
こういった災害のニュースでは、手話通訳者が、同時通訳をしているのを見かけますが、毎回ではありません。
私、これがけっこう気になるんです。
高校生の頃、まだ田舎に住んでいた私は、外国人よりも、聴覚障害や視覚障害がある人の方が身近でした。身近と言っても、知り合いというわけでもなく、同じ地域に住んでいただけで、言葉を交わしたこともありませんでした。そもそも、その関係が不自然だなと思っていたのを覚えています。
そういうことを感じていた私は、英語を勉強するよりも前に、自分の身近にいる人とコミュニケーションが取れることのほうが重要だと考えた時期があって(ただ単に、英語が大の苦手だったということもあるんですが)、手話や点字を習っていました。当時は、点字のテストも100点以外取ったことがなかったのに、使わなくなった今では、すっかり忘れてしまっています。
今は、当時とは違って、こういったどちらも必要なことについて「どちらが重要か」なんて考え方自体しなくなりましたし、その時と違って、今は英語を勉強することのほうに気持ちが向いています。
だけど、手話や点字に関心がなくなったわけではありません。
災害のニュースなんかを見ていると、手話通訳者は決まって、話している人の斜め後ろくらいにいます、誰かが動くとチラッと見えなくなったりすることもあります。
一番前でやればいいのに・・・と、思ってみたり。
日本のテレビでは、手話通訳者が別窓で映されて見やすいように工夫されていることが多いので、それが当たり前だと思っていました。
キャスターによっては、口がほとんど動いていないような喋り方をする人もいます。ベージュの口紅をつけていて、口と肌の色がほとんど見分けがつかないキャスターもいました。
表情でシリアスさは伝わるけど、口読は難しいなと思ってみたり。
手話通訳者が出ない災害ニュースはテロップをもっと使ってくれたらいいのに・・・と思ってみたり。
英語でニュースを聞いていても、ヒアリングがうまくできない私は、ニュースのテロップやジェスチャーが、すごく頼りになります。
こういう災害が続くと、正確な情報は命綱です。
そして、災害時に情報難民を出してはいけないと思います。
英語を話す国にいて、英語がわからなくて、情報がつかめないのは、本人の責任もあると思いますが、移民を受け入れている国である以上は、そういう人にも、分かる情報を発信することも必要だと思うし、今回の災害のニュースでは、手話通訳者を、もっと見やすくしたほうがいいんじゃないかなとも思いました。
ニュージーランドのニュース番組を見ていると、インタビューを受けている人の“職業”や“名前”なんかもテロップで紹介されていたり、裁判の様子だって映像つきで紹介されます。
インタビューを受けている人が、どこの誰なのかが分かるのは、おもしろいなと思って、いつも見ています。
すごくリアリティがあって、親近感を覚えながら見れます。人口が少ない国だからなのかもしれませんが、日本でニュースを見ていた時よりもニュースを身近に感じられています。
そして、英語を聞き取れなくても、ニュースの概要がわかるテロップの使い方や、映像使いには、いつも感謝しています。

そして、そして、驚くような情報公開量。日本とは比べ物になりません。政治のことだって、裁判のことだって、犯罪のことだって、びっくりするような情報が公になるので、これもおもしろいなと思います。
こんな感じで、普段の私はニュージーランドのニュース番組が好きです。朝と夕方、ほぼ毎日見ています。
今回のことは、関心があることだったから、たまたま目に付いたことでしたが、こんな
「なんで手話通訳者が後ろなの?」
「なんで、このニュースは音声だけなの?」
「なんで災害ニュースなのにリップがべージュなの?」
みたいなことが気になっても、今の私は、その背景を知らないので、それを悪いとは思えませんが、「?」って思うようなことについては、もっとちゃんと知っていきたいと思います。
そして、今の自分の生活に関わりがないから気にしないじゃなくて、情報バリアフリーのことについては、これからも、関心を持ち続けて、「?」と気付ける自分でいたいなと思いました。


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posted by キックオフNZ at 06:46
| Comment(4)
| ニュージーランド
私も、地震の生中継を見ていたとき、同時通訳者の方がいたのですが、メインで映っていた人の影で、あまり手話が見えずに、ニューズ番組が健常者だけのものになっているようなきがしました。ニュースはリポーターの容姿よりも手話が見やすく映っていた方が、重要じゃないかな・・と見ていました。
同じニュースを見ていたかもしれませんね!
すべての言語に対応するわけにはいかないと思いますが、手話だって言葉だって、内容を伝えるためのものなので、伝える努力は必要かなと思いました。
手話を見ていても、ここは、やっぱり外国!さっぱりわかりませんでした^^;
私も同じです。関心があることや経験したことには多少気付くことができたとしても、そうでないことへの気付きや想像力は貧しいです。自分でそれを自覚しているので、自分のアンテナを高くして、どんなことでも、まずは知ろうと心がけるようにしています^^;