
日本では東京に住んでいて、広く張り巡らされた電車に乗って毎日通勤していましたが、気を抜くと、いつもと違う階段を使ってホームに行くだけで逆方面行きの電車に乗ってしまうほどのオンチっぷりです。

それにもまして苦手なのが、地図を読むこと。
2回くらい道を曲がるとそこはもう自分がどこにいるかわからなくなってしまいます。

なので、土地勘のないところで生活することがほんとーーーに心配でした。
しかし自分のバス停がわからなくて降りられない、買い物にいった出先で迷うなど、何回かやらかしたものの大きな事故もなく地元の人に助けてもらいながらなんとか生きられています。

NZの移動手段はバス・車・歩き、時々電車・自転車・フェリーといったところでしょうか。
オークランドに住んでいる私はどこに行くにもバスを使うことになりますバス自分が思っていたよりも、しっかりと整備されたバス網に驚かされました。
もちろん、時間が少し遅れたり、早かったり、時に来ないこともありましたが(笑、その辺はご愛嬌)
こちらの人はあまり気にしません。

バス停で待っている乗客同士でおしゃべりしたり、ただぼーっとしたり、少し空いた時間をほのぼのと過ごします。

オークランドには本当に多くの外国人、特にアジア人が住んでいるので、私がバス停でちょこんと座っていても特に違和感はないようで、それどころかとてもフレンドリーな人が多く、“あなた日本人?私日本の〜が好きよ”と普通に話しかけてきてくれます。

こないだは、おじいちゃんと歌舞伎についておしゃべりをしました。

NZの方は日本に好意的な印象と興味を持ってくれる方が多いので、バス停だけでなくこういった機会がちょくちょくあります。
日本人としてすごく嬉しいし、素敵な時間です。
withバスの車窓からみたオークランドシティの写真
さて、NZに来てまだ4か月ほどですが、何人かの面白いバスの運転手さんに出会いました。

ある時は“ちょっとごめんね!“といって乗客を乗せたまま給油所に立ち寄り、ガソリンを入れだす運転手。嘘でしょ!?と思いましたが、乗客は笑うのみ。
実は待ち合わせに急いでいたのですが、他の乗客の反応に笑わされ、ほっこりしてしまいました。

またある時、夜アルバイトを終えてバスに乗って家に帰るとき、まばらな車内から私を残して最後の乗客が降りました。
すると運転手さんがおうちはどこかと聞いてきます。
だいたいの場所をいうと“OK〜OK”といって、他のバス停をブッ飛ばして家の近くまで送ってくれました!!
まだまだ終点には遠いし、その道中で乗るお客さんがいるかもしれないのに大丈夫なのか!?とものすごーく焦りましたが、
“女の子が夜一人だと危ないからね”とウインク。
そういう問題?でもすごく幸せな気持ちになっちゃいました。

友達に話したら私だけじゃないらしく、たまにあるようです。
それにもびっくりびっくり


そして一番愉快だったのは日本語が少し話せる運転手さん。
乗客はこれまた私と友達だけ。私たちが日本人とすぐにわかった運転手さんは日本語と英語をいり混ぜて話しかけてきます。
何十年も前日本に数年住んでいたことがあること、日本食が好きなこと、日本語の練習のために日本人を見ると話すようにしていることなど

ワインを飲んだ帰りもあって話が盛り上がってしまい、
時間を少し忘れたもののいっこうに家につきません。

そうすると見覚えのある風景、それもつい数分前…
お話に夢中になった運転手さんは道を間違えて私たちが乗ったバス停へ再到着

知らんぷりして停車しまた乗客を乗せます。
これには大笑い!帰り際“道間違えましたよね?”尋ねると、といたずらっぽく笑う運転手。
そして彼は言いました。
“昔日本人は本当にシャイで全然話さなかった。でも、近年だんだん社交的になってきて、君たちもまたフレンドリーで僕は嬉しかったんだ。だって日本が大好きだから”

またあの愉快な運転手さんに会えるといいな。
そして日本人はフレンドリーで話し好きだね!と言わせたいな。



(tami)