日本はまだまだ暑い日が続いていることでしょう。
朝晩はまだまだ冷え込みが厳しいニュージーランドの9月。
暑いのがどんな感じか忘れちゃった、そんな感じさえします。
さて、雨が降って気温がぐっと下がった日曜日の午後、冬用のセーターを着て最後のブログを書いています。
早いもので、私のブログも今回の投稿が最後となりました。
この3ヶ月の間にブログを書かせていただくなかで、本当に多くのことを考え、振り返る機会をいただきました。
自分のこと、家族のこと、将来のこと、日本のこと、ニュージーランドのこと、世界のこと…
言葉にして伝えるのって、本当に難しいです。
自分の頭の中で考えていることはたくさんあります。
見て聞いて、触れて、感じて、刺激を受ける毎日、脳みそはフル回転。
自分の内にある思いを、言語化して文章に表すこと…こんなにもエネルギーを消費するものなのだと初めて強く実感しました。
私が発する言葉ひとつひとつが、「私」という人間を表現する。言葉の重み。
今後教員になるにしてもならないにしても、社会に出て生活するうえで今回の経験は活きてくると心から感じています。
このように自分自身を成長させていただく機会を得ることができて大変ありがたく思っていますし、ご支援いただいたKickoff-T様をはじめ、こんな未熟な私をブログライターに採用してくださったキックオフの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、拙い文章でしたが、最後までお付き合いいただいた読者の皆さま、丁寧なコメントをしていただいた皆さま、本当にありがとうございました。

先日、日本にいる大学の後輩と久々にSkypeで話しました。
間もなく始まるという教育実習の準備に追われ、めまぐるしく過ごしているという彼女。
ちょうど一年前の今頃、セミの声が聞こえる蒸し暑い中、私も同じように実習の準備で大学にこもりっきりでした。
子どもたちにまみれ、汗だくになって運動場をかけまわり、算数の授業の模擬授業に追われていた私が、1年後、異国の地ニュージーランドで生活しているなんて。
一度きりの人生。

新しい世界に飛び込むのはすごく勇気がいるし、すごくエネルギーを使うけど、何もしないでうじうじしているよりよっぽどいい。
教員を目指していく上での自分の力量に自信が持てず、ワーキングホリデーに挑戦することにした私ですが、大学を休学してでも時間を作ってこの地に来ることを選択してよかったと感じていますし、自分のためにフルに時間を使うことができて本当に幸せです。
人生って何があるか分からない、とよくいいます。
だけど、今ある場所に自分自身を導いているのは、まぎれもなく自分であり、自分の意思。
自分の後ろにある道は間違いなく自分が築いてきたもの・自分が選択を重ねてきたもの。
そして目の前に広がる旅路も自分が作っていくものです。
ストーリーの主役も、監督も、演出家も、それはまぎれもなく自分。
Skypeをした後輩に、
ニュージーランドに行ってから変わったことってなんですか?
と聞かれました。
1年間という時間は大きな変化を起こすには本当に短い。
でもニュージーランドに来てからこの数ヶ月間のなかで、
こんな私でもいいじゃん、完璧じゃなくてもいいじゃん、と100%完璧じゃない私を受け入れ、自分が好きだと言えるようになってきたかなあ。
後輩にはそう答えました。
一度決めると自分の意思をなかなか曲げることができず、ある意味頑固で意地っ張りだった私が、自分を好きだと言えるようになってきている。自分自身を人生の主役・監督・演出家として自分を認め、ほめたいと思えるようになってきている。
小さいけれど、とてもポジティブな変化。

そのちょっとしたことが、とても嬉しいのです。
そんな今の私を形成するのに寄与しているのが、やっぱりこの国ニュージーランドでの生活だなあと強く感じます。
どこまでも広がる芝生の緑や、高く広い空、果てしなく続く農場、のびのびと生きる羊や牛や馬といった動物たち、水面がきらきら反射して光る海、雪をかぶって真っ白に輝く山々…大自然に囲まれ、生きている、生かされている。
今日もご飯がおいしい。

そして何より、小さなことをいちいち気にせず、おおらかにゆったりどっしりとかまえるニュージーランド気質・キウィ気質もすごく気に入っています。
公共交通機関は時間通りにやってこないし、お客様は神様ではないし、食器を洗剤で洗っても最後流さずに泡だらけで終了だし、おしゃれには気を遣わないし、街中に裸足の人がいるのが普通だし、雨の日はほとんど傘をささないし…
ニュージーランドはそんなことが日常に起きている国です。
だけど。
通りにはゴミが全然落ちていないし、公共トイレが常に清潔に保たれているこの国は、
飛行機が遅延した際、コーヒーでも飲んでゆっくり待ってて、と謝罪の言葉よりもあたたかな笑顔で対応してくれるグランドスタッフがいて、

たまたま隣の席に座っただけなのに一緒に延々と世間話を続けられるようなおばあちゃんがいて、

Tシャツにジーンズという超ベーシックスタイルに身を包み、公園の芝生に座ってごろごろしている若者がいて、

カフェのテラスに座ってコーヒーを飲みながらおしゃべりをする人たちがいる。

何かにつけてこと細かく、公共交通機関は数分の乱れもなくやってくるし、お客様は神様で、スマホ片手にイヤホンで音楽を聞きながら歩く若者があふれていて、おひとりさまなる文化が浸透し一人で行動する=まわりから浮くと思われる…そんなガチガチした日本と比べ、
白い雲がたなびくこの地は、今日も時間がゆったり流れています。
私はそんなニュージーランドがとっても好きだし、とても居心地がいいです。
I dream, therefore I am!
夢描く故に我あり。
ブログのプロフィールにも掲載していた私の好きな言葉です。
哲学者デカルトの「I think, therefore I am.」をなぞらえているらしいです。
ニュージーランドでの残りの生活も、
この言葉をモットーとして夢を持ち、でっかい人間になるべく前を向いてしっかりと歩みを進めていきます。
自分のことも周りの人のことも認め好きになれる、そんなきらきらした自分に、なりたい自分に近づけるよう充実した毎日を過ごしていきたい、そう感じています。
雨上がりに虹を二つ見つけました。
きっと、きっとこれからたくさんいいことがあると信じて。
さあ、また歩きだそう。

今日も空が高く、広く、きれいな青です。

(youme)