市民参加型のミュージカルに出演したこと等、
私は舞台の上に立ってスポットライトを浴び、人前で歌ったり踊ったり演じたりといったことに幼い頃から親しみがありました。
このように自分も舞台に立ったことがある経験から、日本にいた頃は機会があれば演劇やミュージカル、コンサート等ジャンル問わずよく見に行っていました。
今回ワーキングホリデーでニュージーランドへやって来てからも、海外に長期滞在している間に舞台やコンサートを絶対何か一つは見に行きたい、とずっと思っていました。
そして先日、その夢が一つ叶いあるショーを見に行くことができたので、今回の記事はそのことについて書いていきたいと思います。
見に行った舞台は、
プロバレエ団RNZB(Royal New Zealand Ballet)による「Swan Lake」
チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」のバレエです。

今までにいろんな舞台やステージを観劇してきましたが、プロのバレエを見るのは今回が初めて。
街中を走る公共バスの背面に載った広告を見て開催を知り、是非行きたいと思っていました。
劇場はオークランドシティ中心部にある「The Auckland Civic Theater」という文化的遺産劇場。天井がまるで星空のようになっている洗練された空間で、舞台や演劇がよく開催されているようです。バレエ観劇にはもってこいのすてきな劇場でした。
悪魔ロックバルトによる魔法にかかり、白鳥の姿に変えられてしまったために夜の間しか人間の姿に戻ることができないオデット姫と、そのオデット姫に恋に落ち彼女を救うため永遠の愛を誓うことを約束するジークフリート王子。しかしロックバルトによって差し向けられたオディールというオデット姫にそっくりの女性に心を奪われ、ジークフリート王子は誓いを破ってしまう。悪魔に騙されたことを嘆く王子、悲しみに打ちひしがれるオデット姫。絶望した二人は共に湖に身を投げ、来世で結ばれる…
というあらすじの有名なストーリーです。

第一部は約1時間。第二部、第三部はそれぞれ約30分、約20分。
バレエ「白鳥の湖」は1〜3分程度の短い曲の集まりで、それぞれの曲にバレエの進行に合わせたストーリーがあてられ、設定された情景に合わせてバレリーナが踊ります。
今この瞬間に発生した空気のような透明感があり、そして美しく、繊細で、時に大胆な演舞。それは白鳥の清浄な空気感や、優雅な羽ばたきをも感じさせるものでした。
2回の休憩を含め約2時間半の公演でしたが、プロのオーケストラによる生の演奏、そしてダンサーたちの華麗な舞いに引き込まれてあっという間に過ぎてしまいました。
録画されたビデオでは分からない、生身の人間の動きを感じることができること。
――舞台鑑賞の一番の魅力だと思います。
今回の「白鳥の湖」でも、ダンサーたちの呼吸やひとりひとりの表情、バレエシューズとステージとがこすれる音、詳細に計算され尽くされた体系を肌で感じることができ、なんだか感動して始終鳥肌がたち、涙が溢れそうでした。

帰り道は、あのシーンがよかった、あの場面でハラハラした、と友だちと二人ではしゃぎながら帰りました。
自分が何を思ったか、どんな気持ちになったかといった、舞台を見ての感想を語り合いましたが、日本語でも的確に伝えるのは難しいのに、英語で伝えるのは大変でした。身振り手振りを交えて思いの丈を必死に伝えました。
かの有名な美しいメロディに彩られたロマンチックな演目に、心が満たされた一日でした。

メロディが今でも頭から離れないし、向こう数日もきっと興奮が覚めないと思います。

(youme)