
早いもので、気がつけばもう今週が大学1年目前期の最終週になっていました!その後には恐ろしい試験の山が待ち構えているのですが‥。

前期を振り返ってみて、改めて取ってよかったなと思うのが、人類学の科目の1つである
‘Questions of race and racism’
という科目です。
主に‘人種とは’‘人種差別とは’といったことを学ぶのですが、テーマがテーマなだけにやはり扱う内容も自然と重たいものになりますよね。あまり、というか全くポップなものではないので、いわゆる‘楽しい’授業ではないですし、内容が重すぎる為‘耐えられないと思ったらレクチャーの途中で出て行っても構いません’と講師が言う事もしばしば。でも私にとっては1回1回のレクチャーがとても興味深いものでした。
自分自身のものとは違う文化の、違う言語の、違う‘人種’の国に住む留学生である以上、避けて通れないのもまたこの人種問題ではないかなと思います。
幸いあからさまな差別を受けた事はないですが、それでもやはり‘アジア人’としてあまり気持ちのよくない対応を受けた事は何度もあります。
そういった人種問題の発端はどういう所にあるのか、そもそも何を持って‘違う人種’と分類されるのか。文化なのか宗教なのか肌の色なのか。
きっとこの科目を取らなければそこまで深く考える事も無かったと思います。
人種を分類する事が良い事なのか悪い事なのかとかそういう事ではなくて、そこから発生する問題はどういう事なのか。そして自分はそれについてどう考えるのか。
複雑で難しい人種差別の問題に対し、個人としてできる事など非常に限られているのかもしれません。でもそれぞれがそれぞれの視点でその問題をちゃんと見つめて考えて、それぞれがしっかりと自分の意見を持つ事。それが大切なのかなと思わせてくれたのがこの科目でした。
黒人に対する偏見、女性や子供に対する差別等、考えれば考えるほど難しく、なかなか‘これが正しい’という答えは出ない問題ですが、まずは事実を知る事。そしてたくさん考える事。そこから始めなければ結局は何も変えられないのだと思います。
私がこの科目を取ったのは、この国に住んで様々な国籍の人たちと出会った事で、人種問題についての興味が深くなったからですが、自分の考えは本当にまだまだ浅い所にあるんだなと思い知らされました。
レクチャーを受け、本を読み、ビデオを見て実際の話を聞く事で持った、
‘人種差別が存在する事が悲しい’
‘肌の色が違うだけでなぜそんな扱いをされなければいけなかったのか’
というただの感想から更に1歩先へ考えを進めて、ではそれについての自分の意見は何なのかというところまでしっかり答えられるようにならなければ、と感じさせてくれました。
人種問題についての話がタブーとして扱われるのでは無く、もっと積極的に意見交換がされるテーマになればいいなと思っています。
(まみ)