
車を止めて外に出て、何もない水平線を眺めていると、まるでキウイのような茶色の、丸っこい鳥がかけよってきました。

茶色いの、見えますか?
まさかキウイ?!と思い、よーく見るとちょっと違う。
しっぽとまゆげがついた‘Weka’です。


しっぽとまゆげはあるものの、キウイと同じく飛べません。
たまたま持っていたパンをちょっとちぎってやると、

パンをくわえて、ご満悦。
あんまりおいしそうに食べるので、もう一かけらパンを与えて近くで観察してみることにしました。
しかしながら、パンをちぎるまもなく、Wekaは私の手元に向かって跳びついていきます。
飛べないのに、すごいジャンプ力。他の鳥よりよく歩く分、足腰が鍛えられているようです。
もう一かけらパンをちぎると、あっという間に飲み込むWeka。もっと近くで見ようとしゃがむと、私の手をつついてきます。
これがものすごく痛い。
目の前のWekaに気をとられていると突然、私のパンが斜め後ろから引っ張られました。
びっくりして振り返ると、半分の大きさになったパンと、別のWekaが私の手のひらほどもあるパンをくわえて全速力で駆けてゆくのが見えました。
あっけにとられてみていると、残りのパンが私の後ろから、これまたすごい力でひきちぎられました。
しまった!と思って振り返ると、先ほど私の手をつついていたWekaが、大きなパンをくわえて走り去るのが見えました・・・。
私の手元に残ったのは、私の指先くらいになってしまったパンと、

犯人の足跡・・・。
あまりの早業に、思わず笑いが。
今までたくさんバードウォッチングをしましたが、こんなにがめつい鳥ははじめてです。
食べようと思っていたおやつがなくなってしまいすることがなくなったので、海岸沿いをゆっくり歩いてみました。

アザラシの親子

海鳥が飛び交い、ペンギンもいるといわれる岩場
ニュージーランドに住み始めて3年、ガイドブックに載っていないような場所で、こうして思いがけない野生動物との出会いがあることがよくあります。
バス停からハリネズミと一緒に歩いて帰ったり(彼(彼女?)の家は私の家のそばの側溝でした)、アヒルの家族が道を横切るのを車をとめて待ったり、スキー場に行ったらKeaというオウムにワイパーをかじられたり・・・
今回Wekaと出会って、改めて動物王国ニュージーランドを実感しました。
アザラシのような大型動物に出会った場合は注意が必要ですが、Wekaのような小さな動物の場合は、しばらく側で観察してみてください。
彼らの住んでいる自然が、観光地で見るよりも近く感じられるかもしれません。

Wekaかわいい!、という方。
いたずらっ子ですね、という方。
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(Noby)