えっ?と思うようなタイトルですが、今日はあえて留学の影の部分について書きたいと思います。
先日、「孤独について」というタイトルで別のブログライターさんが書かれていた記事がUPされており、楽しいばかりではない留学の、つらい部分について考えるきっかけになりました。
もう数年前の話になりますが、ニュージーランドへの留学を決めるまで私もいろいろと考えました。
そんな留学前の一時期、インターネット等で留学の失敗例を見ることにはまっていた時期があったんです。
はまっていたというと語弊がありますが、それまでの生活に「失敗したなあ・・・」という部分が多かった私にとって、次に起こりうる失敗を知っておくのは有意義な作業に思えたんです。
今日のタイトルの「留学ひきこもり」という単語には、そんな中で出会いました。
なんじゃこりゃ?と思い定義を調べたところ「留学先でひきこもり状態になっていること」という単純なものでした。
正直なところ、えーっ?と思いました。

自分から言い出して、何かを得ようとしてはじめた留学でひきこもり状態になってしまうなんて。
一時的なホームシックならまだしも、長期化するのが特徴らしいんです。
うーん・・・と思ったきりその話はそこで忘れてしまい、留学へ出発したんです。
しかし行った先で、まさかこの言葉の意味を実感することになろうとは思っていませんでした。
留学ひきこもりとはこれか!と実感したきっかけは2つあります。
1)自分が危うく「留学ひきこもり」になりそうになったこと

2)実際に留学ひきこもりを見たこと

1)自分が危うく「留学ひきこもり」になりそうになったこと
留学直後〜一年後、危うく留学ひきこもりになりかかったことがありました。
シェアハウスしてるのにひきこもるの?と言われそうですが、なるんです。
私の場合、原因は周囲とのコミュニケーションがうまくいかなかったことでした。
自分の言語のレベルとは不相応な、自分と同年代のネイティブあるいはネイティブレベルの英語を話す人たちばかりのフラットに入ったんです。
こうすれば自分の英語が上達する、友達も増えると思ったんですが、考えが安易すぎました。
レベルが高すぎて、全くわからないんです。
世界で一番速いといわれる Kiwi Englishの、さらに最も早口な世代が大盛り上がりで話している内容は、語学学校入学数ヶ月の私には壮絶にハイレベル。
彼らも優しかったので「Noby、今日の学校はどうだった?」などの話題を振ってくれるのですが、この会話が続かない。彼らの話題に上っていたテレビ番組を見てみたのですが、アメリカの女の子たちが口げんかをするような番組で、これまた早口+スラング満載でわからない。
だんだん私のほうが萎縮してしまい、口をきくことが減ってゆきました。今思えばマイペースでいればよかったんでしょうが、その時はリビングが盛り上がっていると部屋を出るのをかなり躊躇していました。自分が行くと会話がしらけることがわかっていたからです。だんだんと部屋を出る前に外に人がいないかチェックするようになり、フラットメイトともめったに顔を合わせなくなりました。
結局そのフラットは半年後に出ました。出たい、と言い出すのにかなり勇気が要ったのを覚えています。
2)実際に留学ひきこもりを見たこと
知人で1人、引きこもり状態の人を知っています。食事とシャワー・トイレ以外は部屋から出て来ず、学校には行くのだけれど直行直帰状態なんだそうです。
私個人の意見なのですが、彼のひきこもりの原因もコミュニケーションなのではと思っています。彼は留学してから2年が経過しているのですが、学校からの郵便物の読解、大家さんとのやりとりにも支障があるようです。
せっかく時間とお金を使って留学しているのにそんな状態なんてもったいない!と思われるかもしれません。しかしながら、
コミュニケーションがうまくいかない→
落ち込む→
コミュニケーションをとる時、緊張しはじめる→
余計うまくいかない→
もっと落ち込む→
コミュニケーションをとる機会が減ってくる→
練習が少ないため、余計うまくいかなくなる→
・・・という負の連鎖に陥っているとき、「こんなんじゃあだめだ!」と自分を奮い立たせるのはかなり力の要る仕事です。
「ああ、この負の連鎖の気持ち分かるわ・・・」と思った方。
もしかしたら、留学ひきこもりのループにはまっているのかもしれません。
落ち込んでいる時は、周りが見えにくくなっています。
負の連鎖というものは川の流れのようなもので、見た目よりも抜け出すのはずっと難しく、もがきすぎるとおぼれてしまうことがあります。
岸から見ていれば、「流れに逆らわず、少しずつ岸へ向かって泳げば岸へつけるのに」とたやすく思えるのですが、流されている本人は必死すぎてなかなかそれに気付くことができません。
私の場合は、フラットから引っ越して気楽な仲間と住むことでこの問題は解決しました。
周りの人たちは以前のフラットほどおしゃべりではありませんでしたが、自分のペースで考えながら話ができる環境ができたことで、結果的に英語が上達したように思います。

このときつけた自信がなかったら、新しい学校に行ったり仕事を始めたり・・・というチャレンジはできなかったのではないかと思います。
言葉も文化も違う外国暮らしで、落ち込むことがあるのは当然だと思います。
落ち込んでしまっても自分を責めないで、肩の力をぬいて自分を上から見てみてください。
もしかしたら、川岸に泳ぎ着く方法が見えるかもしれません。


興味深い話をありがとう!、という方。
Nobyさん、がんばりましたね、という方。
いい話ですね。がんばります!、という方。
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(Noby)