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2010年10月28日

復興ライブ

10月23日、土曜日。
いつも通りにアルバイト先に向かったところ、通りがかなり混雑していました。
店に入っても、なんだか異様な忙しさ。いつもの倍は軽く売れています。
お客さんは皆興奮気味で、顔にペイントをした人や、派手なコスチュームを着た人もちらほら。
一体今日は何の日?と新聞を見ると・・・

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‘The stage is set’
(10月23日 The Press Christchurch版より)

9月4日のカンタベリー地震の、復興ライブの日でした。黒ハート

このライブ、地震の被害にあった市民のための、チャリティーライブ。
市の中心にあるハグレー公園で行われました。
ニュージーランドの全域からアーティストたちが集まり、朝の11時から夜の8時まで休みなく演奏が続けられたそうです。

このライブ、アーティストだけではなくゲストの顔ぶれも豪華。
市長のパーカー氏のほか、なんとジョン・キー首相も出席。わーい(嬉しい顔)
新聞には「ギタリストの○○○(私は知らない人でした)の出番を楽しみにしています」との彼のコメントが。

チャリティーライブということで、入場は無料。
ハグレー公園周辺は多くの人でにぎわい、まるでラグビーの試合が引っ越してきたかのようでした。
家族連れや学生さん、ご夫婦・・・みなさん思い思いのメンバーで集まって、めいっぱい楽しんだようです。

実際の復興の状況ですが、市内中心部は8割以上の復旧が完了した状態です。
ところどころに手のつけられていないレンガ造りの建物がみられたり、封鎖された通りがまだあるものの、その他は問題ありません。

まだ壊れた建物が目立つのは、市の南部です。
壊れた建物を避けるように臨時で作られた道はまるで迷路のよう。この地域の完全復旧には、もうしばらく時間がかかりそうです。

まだ100パーセント元通りとはいえませんが、通りを歩くライブ帰りの人たちの嬉しそうな様子をみると、なんだか私まで嬉しくなってきました。
わーい(嬉しい顔)
アルバイト先のコンビニの一日の売り上げが過去最高レベルだったのも、うれしいおまけです。黒ハート

一日も早く、全員の生活が元通りになりますように揺れるハート
ライブでの市民の様子を見る限り、完全復旧の日は近そうです。


ひらめき
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(Noby)

2010年10月25日

洗えるお札

「しまった、○○を洗濯してしまったー!!」もうやだ〜(悲しい顔)

という苦い経験、誰しもあるのではないでしょうか。

ティッシュ、生徒手帳、i pod等々。

私にも、思い出すとなんだか切なくなる洗濯体験(??)がいくつもあります。ふらふら

しかしながら、一番悲惨だった洗濯体験は、私ではなく友人のもの。

「銀行に振り込む予定だった数万円を入れた封筒を洗濯、洗濯終了後に気付いたが、洗濯機の中には「元お札らしきもの」の破片がいくつかあるだけで、銀行に持っていったもののお金はあまり返ってこなかった」というもの。もうやだ〜(悲しい顔)


何度思い出しても気の毒になる大学時代の友人の話ですが、この話をキウイの人たちにしても、あまりピンとこない様子。

なぜなら、ニュージーランドのお札は洗えるからなんです。

洗えるといっても、好んで洗うためのものではなく、もしものことがあっても大丈夫なプラスチック製。わーい(嬉しい顔)
色も、オレンジ、青、緑、紫、赤・・・とカラフルです。わーい(嬉しい顔)


お札の表面には歴史上の偉人・有名人と花や景色、裏面には野鳥と目にも楽しい絵柄です。
単位は、5ドル・10ドル・20ドル・50ドル・100ドル。

日本ではあまりなじみのない10の位が偶数の20ドル札ですが、こちらでは一番ポピュラーといっても過言ではありません。

プリペイド式携帯電話のクレジットや、セルフガソリンスタンドでの最小金額も20ドル。
慣れればとても便利です。

このプラスチック製のお札、洗濯に負けない以外にも、破れにくい・スキーや海水浴にも安心して持っていけるという利点があります。

ちなみにコインは、2ドル・1ドル・50セント・20セント・10セント。
それぞれに、女王様やキウイバード、マオリアートなどが描かれています。
1セントコインがないのを不思議に思われるかもしれませんが、コインは10セントまででそれより下の位は四捨五入(例:2ドル49セント→2ドル50セント、10ドル11セント→10ドル10セント)して会計が行われます(現金払いの場合)。

Eftpos(銀行のキャッシュカード)やクレジットカードを使った時には、1セント単位まで計算されます。

留学・観光でニュージーランドに来られる際は、ぜひお金もじっくり見て、触って、そして実際に使って買い物をしてみてください。黒ハート

日本とは一味違って、面白いですよ わーい(嬉しい顔)


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(Noby)

2010年10月21日

4 seasons in a day

ニュージーランドの気候をあらわす、有名な表現があります。
それが、タイトルにもある ’4 seasons in a day’晴れ
一日のうちに四季がある、という意味です。雪

四季といえば、春夏秋冬、数ヶ月ごとに移り変わるもの。

しかしながらニュージーランドでは、これらが一日で体験できてしまうことがあるんです。

霜が下りたのと同じ日に、シャツ一枚ですごせるほどの陽気になったり、逆に夏のような日差しだったのに、コートを着ても寒いほど冷え込んだり。


この急激な気候変化は、ニュージーランドの地理的位置と関係があります。

ご存知の通り高緯度に位置するニュージーランドには、強い日差しがふりそそぎます。かつニュージーランドの南岸は南極海に面しているため、南極から直接冷たい風がふきこみます。しかしながら、東海岸沿いを暖流が流れているため、全体的に温暖で過ごしやすい気温になっています。
・・・というわけで、平常時は春か秋、南極から風がふきこめば冬、暖流由来の雲が流れ込んだ日はまるで初夏のような生ぬるさ、北側の高気圧に勢力があれば夏!となります。

南極とニュージーランドの間にはさえぎるものが何もないので、突然南極からの雲が来て天気が急変、なんてことがあります。

そういうわけで、天気の移り変わりの激しい日には、夏服の人、冬服の人、またはビーチサンダルにスキージャケットという夏なのか冬なのかわからない人に出会うことがあります。

今日学校に行ったら、セーターを着た学生と半そでにTシャツ、ハーフパンツにビーチサンダルという格好の学生が話をしていました。

セーター「寒いなあ」
Tシャツ「急に冷えたなあ、室内なのにすごく寒い」
セーター「いや、自分の格好じゃどこに行っても寒いと思う」
Tシャツ「だって朝は暖かかったから・・・上着持ってくればよかった」

Tシャツの学生さんは気の毒でしたが、なんだかニュージーランドらしい会話に思わず笑ってしまいました。わーい(嬉しい顔)

結局今日は昼過ぎに気温が下がったきり、上がらず。
Tシャツにサンダルの学生さんが風邪をひいていないといいのですが。

ニュージーランドに留学・観光にいらっしゃる方、どの季節でも羽織りものを忘れずにお出かけください。

明日のクライストチャーチの天気予報は23℃、晴れ。春〜夏の気候です。
天気予報が当たることを祈りつつ、万が一の冬に備えてジャケットを持っていくつもりです。黒ハート

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(Noby)

2010年10月18日

試験がはじまりました

先週から今週にかけて、私の通う学校は試験週間です。ふらふら
11月半ばには最終試験があるという変なスケジュールですが、これは地震のせい。
地震の時は「試験がなくなった!」と喜んでいたクラスメイトたちも、今は「試験が重なった・・・」とへこみぎみ。

・・・とはいえ、がんばるしかありません。

今日も、分子生物学の試験を受けてきました。
試験が延期された分先生たちも問題を考える時間がしっかりとあったようで、試験問題はみっちり、ぎっちり。
A4用紙5〜6枚が、2時間の試験ですっかり埋まってしまいました。
埋めた分、点数がとれていることを祈っています。

一風変わった試験もありました。

分類学の試験会場に入ると、Aから順番にステッカーを貼られた顕微鏡がずらり。
顕微鏡の横には、プレパラート、なんだか濁った水の入ったチューブ、カビらしきものが生えた寒天培地、そして・・・スーパーで売られているマッシュルーム?!
マッシュルームをはじめとする妙な物体(?)の前には「この生物を分類せよ」という指示書きが。
なるほど、教科書の丸暗記ではなく、実際分類ができるかどうかを見るのだなとわかりました。
一見簡単そうですが、鍵となるポイントを1つ見落としたり見間違ったりすると分類も間違ってしまうため、細部まで慎重にみていきます。
スーパーのマッシュルームを、ひっくり返したりしながら皆が神妙な顔で見ている様子はなんだかとてもこっけいでした。わーい(嬉しい顔)

留学先での勉強は、科目の理解+言葉の理解をしなければならないため結構ハード。

しかしながらテストのたびに、自分のキャパシティが大きくなっていくのがわかります。黒ハート

大変でないといえばうそになりますが、やり終えた時の達成感、そしてその後遊びに行く開放感が私は好きです。かわいい

・・・なんて書いていますが、実は明日もテストで心中はおだやかではありません。

今回の試験も分類学系統なので、百科事典とインターネットの写真、生物学辞典を机に置いて格闘中です。
英語なんだかラテン語なんだかよくわからない単語がたくさん並んでいますが、いざテストの時に「わかるのに綴れない!」なんてことにならないように、ひたすら書いて覚えています。

コース終了まであと少し。
よーし、がんばって勉強するぞ!るんるん

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(Noby)

2010年10月14日

トランピングに行ってきました

今日は、以前行ったMt.Thomas自然保護区の写真をアップしようと思います。かわいい

Mt.Thomas自然保護区は、クライストチャーチの北約60キロほどの場所にあります。
以前ここに行こうとしてつい4WDトラックに行ってしまったのですが、今回は迷うことなくたどり着きました。

牧草地を進んでいくと
101014_1_Noby_sheep.jpg

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ありました、Mt.Thomas自然保護区です。


到着後、ルート決めがてら軽く散策していると、桜の木の上になにやら動くものを発見!


101014_3_Noby_pegion.jpg

New Zealand Pegionです。

写真は下からなのでわかりにくいですが、青緑と白、赤のコントラストの美しい、ニュージーランドの固有種です。
双眼鏡で見てみると、どうやらお食事中のよう。
蜜を吸っているのかと思いきや、よーく見ると花をまるごと食べていました・・・。豪快な食べっぷりです。わーい(嬉しい顔)

そうこうしているうちに、案内板を発見。

片道3時間の‘Summit track’に入ることに決めました。
ぽかぽか陽気の中、Summit(頂上)へ向けてひたすら歩きます。

これが、結構しんどい。
スポーツは好きなはず、かつこのトラックは本格的な登山用ではないはずなのに、むちゃくちゃしんどい・・・と思ったら

101014_Noby_4.jpg

開始15分でこの高さ。

「なるほど、Summitトラックというだけあって、頂上まで一番早い、かつ急なコースなのか!」
というわけで、休み休み行くことにしました。

しばらく歩くと、松林に入りました。
松の枯葉でふかふかの道を進みます。

101014_5_Noby_pine.jpg

松の葉のいいにおいがします。



ひたけた場所と松林をいくつか進み、時計を見ると2時間経過。
もう少し!とふんばります。
さらに30分ほど歩くと、視界が急に開けました。どうやら頂上にきたようです:)

頂上からの写真を何枚か。

101014_6_Noby_summit1.jpg


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頂上で腰をおろし、ビスケットと水で一服。
さあ下りよう!とすると・・・
しまった、ひざが笑っておりられない!!がく〜(落胆した顔)

急傾斜を一気に登ってきたせいか、一気にあしがだるくなってしまいました。
登るより時間をかけて、そろりそろりと下りてゆきます。


しょっちゅう腰を下ろしては休憩。
ベルバードの声がきこえてきます。
ああ、しんどい・・・という雰囲気になったとき、フラットメイトが一言。
「そういえば車に、クッキータイムのクッキーがある!」


Cookietimeのクッキーは、まるでカントリーマァムを5倍大きくして一口チョコレートをごろごろ入れたようなクッキーで、もちろん私の大好物です。
思い浮かべたとたん、急にお腹がすいてきました。
よし、下りてクッキーを食べよう!ということになり、いつのまにか、足のだるさはどこへやら。


小一時間後、ふもとについて食べたクッキーの味は格別でした。黒ハート


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小川の流れる音を聞きながらしばらく休んだ後、家路につきました。

ここ一週間ほど変な天気が続いているのですが、またトランピングの報告ができたらなあと思います わーい(嬉しい顔)


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2010年10月11日

スーツケースひとつの暮らし

「留学して、行動力が身についた!」
「留学して、語学力がついた!」

どちらもよく聞く、留学してよかったことの体験談です。
しかしながら私にとって留学して一番よかったことは、実は「自己管理ができるようになったこと」だったりします。

恥ずかしながら留学前、片づけが大の苦手だった私。
家族は皆きれい好きだったにもかかわらず、どういうわけか私の部屋だけごちゃごちゃ。
「よし、今週末こそ片付けるぞ!」と奮起し、クローゼットの中身を引っ張り出しては週末中に収集がつかず、変わり映えしないか余計ひどくなったまま次の週に突入・・・ということを繰り返していました。

この流れを断ち切ってくれたのが留学への出発です。
エコノミークラスへ持ち込める荷物は20キロのみ。本当に必要なもの、貴重品しか入りません。
ステイ先に到着し、かばんの中身を全部出してもたかがスーツケース1個分。
生活はきわめてシンプルになり、完全に自分の持ち物を把握した生活を送るようになりました。

これで驚いたのが、物が少ないと物の管理や掃除が楽だということ。
それまで四苦八苦していたのが、家中の掃除を引き受けるまでになりました。
また、持ち物を把握することで同じようなものを二つ買ってしまうという無駄遣いが減り、買い物に行って何が必要かわからず延々と悩んだりすることもなくなりました。

これだけでも十分な進歩だったのですが、さらに良かったのが現在同居しているフラットメイトとの出会いです。

実家がレストランを経営しており、小さい頃から手伝いをしている彼女の掃除の腕は天下一品。
彼女が掃除をはじめると私も参加し、いろいろな技を教えてもらいました。
彼女は身なりもこぎれいで、洋服の着こなしや部屋の家具の配置のアドバイスもくれる、大切な友人のひとりです。

ごちゃごちゃ部屋から脱出した私ですが、今でも月に一度は持ち物を全てスーツケースにつめ、持ち物の確認と掃除をしています。

物に囲まれた生活から物がなくなると、自分のことがはっきり見えます。

「片付けなきゃってわかってるんだけど、しんどいなあ」

と物の中に寝転がっている方、ちょっと恥ずかしくて言い出せないだけで、意外といるんじゃないかと思います。
思い切って、スーツケース一つで旅に出てみてはいかがでしょうか。
物質面でも精神面でも、要るものと要らないものが見えるようになるかもしれません。

ニュージーランドは今、春真っ盛り。

スーツケース1つに薄着で旅をするのには、絶好の季節です。黒ハート

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(Noby)

2010年10月07日

留学ひきこもり

えっ?と思うようなタイトルですが、今日はあえて留学の影の部分について書きたいと思います。

先日、「孤独について」というタイトルで別のブログライターさんが書かれていた記事がUPされており、楽しいばかりではない留学の、つらい部分について考えるきっかけになりました。

もう数年前の話になりますが、ニュージーランドへの留学を決めるまで私もいろいろと考えました。
そんな留学前の一時期、インターネット等で留学の失敗例を見ることにはまっていた時期があったんです。
はまっていたというと語弊がありますが、それまでの生活に「失敗したなあ・・・」という部分が多かった私にとって、次に起こりうる失敗を知っておくのは有意義な作業に思えたんです。

今日のタイトルの「留学ひきこもり」という単語には、そんな中で出会いました。
なんじゃこりゃ?と思い定義を調べたところ「留学先でひきこもり状態になっていること」という単純なものでした。


正直なところ、えーっ?と思いました。がく〜(落胆した顔)
自分から言い出して、何かを得ようとしてはじめた留学でひきこもり状態になってしまうなんて。
一時的なホームシックならまだしも、長期化するのが特徴らしいんです。

うーん・・・と思ったきりその話はそこで忘れてしまい、留学へ出発したんです。
しかし行った先で、まさかこの言葉の意味を実感することになろうとは思っていませんでした。


留学ひきこもりとはこれか!と実感したきっかけは2つあります。

1)自分が危うく「留学ひきこもり」になりそうになったことふらふら
2)実際に留学ひきこもりを見たこともうやだ〜(悲しい顔)


1)自分が危うく「留学ひきこもり」になりそうになったこと

留学直後〜一年後、危うく留学ひきこもりになりかかったことがありました。
シェアハウスしてるのにひきこもるの?と言われそうですが、なるんです。
私の場合、原因は周囲とのコミュニケーションがうまくいかなかったことでした。
自分の言語のレベルとは不相応な、自分と同年代のネイティブあるいはネイティブレベルの英語を話す人たちばかりのフラットに入ったんです。
こうすれば自分の英語が上達する、友達も増えると思ったんですが、考えが安易すぎました。
レベルが高すぎて、全くわからないんです。
世界で一番速いといわれる Kiwi Englishの、さらに最も早口な世代が大盛り上がりで話している内容は、語学学校入学数ヶ月の私には壮絶にハイレベル。
彼らも優しかったので「Noby、今日の学校はどうだった?」などの話題を振ってくれるのですが、この会話が続かない。彼らの話題に上っていたテレビ番組を見てみたのですが、アメリカの女の子たちが口げんかをするような番組で、これまた早口+スラング満載でわからない。
だんだん私のほうが萎縮してしまい、口をきくことが減ってゆきました。今思えばマイペースでいればよかったんでしょうが、その時はリビングが盛り上がっていると部屋を出るのをかなり躊躇していました。自分が行くと会話がしらけることがわかっていたからです。だんだんと部屋を出る前に外に人がいないかチェックするようになり、フラットメイトともめったに顔を合わせなくなりました。
結局そのフラットは半年後に出ました。出たい、と言い出すのにかなり勇気が要ったのを覚えています。


2)実際に留学ひきこもりを見たこと

知人で1人、引きこもり状態の人を知っています。食事とシャワー・トイレ以外は部屋から出て来ず、学校には行くのだけれど直行直帰状態なんだそうです。
私個人の意見なのですが、彼のひきこもりの原因もコミュニケーションなのではと思っています。彼は留学してから2年が経過しているのですが、学校からの郵便物の読解、大家さんとのやりとりにも支障があるようです。


せっかく時間とお金を使って留学しているのにそんな状態なんてもったいない!と思われるかもしれません。しかしながら、

コミュニケーションがうまくいかない→
落ち込む→
コミュニケーションをとる時、緊張しはじめる→
余計うまくいかない→
もっと落ち込む→
コミュニケーションをとる機会が減ってくる→
練習が少ないため、余計うまくいかなくなる→

・・・という負の連鎖に陥っているとき、「こんなんじゃあだめだ!」と自分を奮い立たせるのはかなり力の要る仕事です。

「ああ、この負の連鎖の気持ち分かるわ・・・」と思った方。
もしかしたら、留学ひきこもりのループにはまっているのかもしれません。
落ち込んでいる時は、周りが見えにくくなっています。
負の連鎖というものは川の流れのようなもので、見た目よりも抜け出すのはずっと難しく、もがきすぎるとおぼれてしまうことがあります。
岸から見ていれば、「流れに逆らわず、少しずつ岸へ向かって泳げば岸へつけるのに」とたやすく思えるのですが、流されている本人は必死すぎてなかなかそれに気付くことができません。

私の場合は、フラットから引っ越して気楽な仲間と住むことでこの問題は解決しました。
周りの人たちは以前のフラットほどおしゃべりではありませんでしたが、自分のペースで考えながら話ができる環境ができたことで、結果的に英語が上達したように思います。黒ハート

このときつけた自信がなかったら、新しい学校に行ったり仕事を始めたり・・・というチャレンジはできなかったのではないかと思います。

言葉も文化も違う外国暮らしで、落ち込むことがあるのは当然だと思います。
落ち込んでしまっても自分を責めないで、肩の力をぬいて自分を上から見てみてください。
もしかしたら、川岸に泳ぎ着く方法が見えるかもしれません。黒ハート


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2010年10月04日

生物学と化学の間。

先日、職業体験先で一緒に働く研究員の人にトラブルがありました。
近くの大学の生態学研究室から依頼されたサンプルの解析に問題があったらしいのです。

朝一番にクレームが入り、研究所の責任者から分析担当者、同じ分析の知識のある別の研究員まで総出で対応しており、なんだかぴりぴりとした雰囲気でした。

昼過ぎごろ、クレームに対応した全員が揃って帰ってきました。
どうやらかなり怒っているようです。ちっ(怒った顔)

私が声をかける前に、「Noby,ちょっときいてくれる?!」と、実際の分析を担当したキエンさんが早口で言いました。

「どうしたんですか?」とたずねると、「あの人たち、すごく失礼!信じられないわ!」とお怒りの様子。ちっ(怒った顔)

「彼ら、キエンをぜんぜん信頼できないって言うから、その場でウォーターテスト(純水の分析・解析者の分析技術をはかることができる)をして、キエンの分析はちゃんとしてるって伝えてきたんだけど、なんだか満足してないみたいだった。でもこれ以上できることはないわ」と、同僚のアンジェラさん。


話をきいてみると、どうやら原因は生態学研究員と化学分析研究室の「分析」ということに対する認識の違いにあるらしいことがわかりました。

双方の主張は以下の通りです。

生態学研究員の主張

☆アンモニウムを定量してほしかったのに、分析されていたのはアンモニアだった。以前にも同様のサンプルを依頼しており、その時はアンモニウム定量をしてくれたのに。研究の全容は伝えてあるのだから、アンモニウムかどうか確認すべきだ。

☆解析に時間がかかりすぎる。

☆数値が思っていたものと大幅にずれている。予測していた傾向すら見えない。サンプルがアンモニアの解析に使われてしまい、アンモニウムを定量しなおす分が残っていない。また西海岸までサンプリングにいかなくてはならない。

化学分析研究室の主張

☆書類に書かれていたのはアンモニウムではなくアンモニアだった。

☆サンプルの保存のために加えられた酸の種類、量が報告されていない。アンモニウム・アンモニアの分析には酸の濃度が大変重要なので、正確な数値が出せるわけがない。

☆実際の分析と、テレビドラマで見るような分析は違う。1日に100サンプル以下の分析しか現在の技術では不可能。


この話をきいて、分析研究室の研究員たちは「ありえない!分析者の問題じゃない!」とアンジェラさんに同意。

しかしながら動物学出身の私は、なんだか複雑な思いがしました。

というのも、野外でのサンプリングの大変さ、設備の足りなさは実際にやってみると身にしみるからです。ふらふら
丸一日かけて西海岸まで行って、山に分け入ってサンプル(何のサンプルかはわかりませんが)を採取し、保存か抽出のために酸を加えたか、酸の中につけたのだと思われます。
山の中にはピペットもフラスコもないので、サンプルはバケツや薬ビンに放り込みます。どれくらいサンプルがとれるかも行ってみるまでわからないので、必要な薬品の量は未知です。

かつ、動物学、生態学、昆虫学等のサンプルの保存には、薬品濃度が指定されていないことがほとんど。
というのも大抵は「腐らずに持ち帰ることができればよい。濃すぎてサンプルが溶けたりしなければよい」という考えに基づいており、実際それで標本作成には不都合がないため、酸濃度を考慮するという考えがなかったのも私としては納得できます。

しかしそれでは、正確なアンモニウムの定量ができないのも納得できます。

一体どうすればいいのか・・・どちらの分野も好きな私としては複雑です。ふらふら

以前の記事に書いた私の卒業プロジェクトは、生物学者と化学者の間の溝をうめることを目的としています。

土を用いて濃度・成分既知の完全に均一なサンプルを作成したのですが、
生態学者が私の作ったようなサンプルを自分たちのサンプルと一緒に分析すれば、何か問題があったときに解析者に問題があるのか、または依頼者のサンプルの処理に問題があるのかがわかります(よって今回のようなトラブルを防ぐことができます)。また、濃度・成分の違う既知のサンプルを複数用意して同様に分析に出せば、サンプルの処理が粗かったとしても、未知のサンプルのおおまかな傾向を見ることができます。

私の指導教官(彼は化学者です)はこのサンプルを市内の生態学者広めるべく機会があるごとに公演をしたり、セミナーに顔をだしたりしているようなのですが、まだまだ見えないところに問題は山積みなんだなあ・・・と実感しました。

しかし実際この均一なサンプルを作るのには大変手間がかかり、膨大な量の生態学のサンプル分析に追いつくかといわれると、答えはNoです。

「これだけこじれることはめったにないんだけど、学者はどっちも自分の知識が正しいと思ってるからねえ。私も自分が正しいと思ってるし、向こうもそう。Nobyの言ってるサンプルはよさそうだけど、それも行きわたらなければ意味がないわけでしょ。やっぱりお互いに細かく確認をとるしかないのかなあ」と、アンジェラさん。

似たようで違う、化学と生物。卒業プロジェクトは終わりましたが、両方をかじった者として、どうしたらいいのか私はいまだに考えています。

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