
今年の夏はぜひニュージーランドで仕事をしたい・・・と数週間前から仕事を探していたのですが、本命だったフルーツピッキングの仕事は冷夏の影響で開始が1ヶ月遅れ。他の仕事もこの不況のせいか「経験者のみ」の指定があるものが多く、なかなか思ったように見つからなかったんです。

そこでやっと見つかったのが、夕方開始のオフィス掃除のバイト。「車の免許・根性をお持ちの方、経験問わず」という条件だったので、根性があるかわからないのにとりあえず電話しました。問い合わせは私が初めてだったらしく、その日のうちに仕事場の見学につれていってもらい、「トイレ掃除、モップがけがちゃんとできるか」という確認をとられた後採用となりました。

現在採用3日目で、トレーニングを受けています。トレーニング後は大きな工場を私を含めた2人で掃除することになるらしく、かなりみっちりと仕事を教わっています。
私のトレーニングをしてくれているのは、私と同じアジア人のマネージャーです。大柄な人で教え方も簡潔なので最初少し怖かったのですが、お互い慣れてくると世間話をしたり、今日はお寿司をご馳走になったりと、とてもよくしてもらっています。

そんなマネージャーと、今日は将来の夢の話になりました。
「僕は将来の夢のために3つ仕事をしてるんだ。今やってるクリーナーは、3番目の仕事なんだよ」と、彼。
あとの2つは自分で立ち上げた事業なんだそうです。
忙しくないんですか?ときくと
「そりゃ忙しくて一日中ノンストップだけど、やりたいことがあるから頑張れる」とのこと。
そんな彼の夢は、自分のカフェを経営することだそうです。同じ夢をもつ彼女と一緒に、素敵なお店を持ちたいと教えてくれました。
「でも彼女は結構現実的でね、十分な開業資金と失敗した場合の貯えがないと始めないって言うんだ。でもそれには僕も賛成だから、お互いこうやって働いてるわけ。だからこのクリーナーの仕事をやるのは今だけだけど、その間に気がついたことがいっぱいあるんだ。じっくりやってみると面白いよ。」
気づいたことって何ですか?と聞くと、彼は3つの机を指差して言いました。
「終業後のオフィスって面白いんだ。僕が指差した3つの机を見比べてみて。」
えーっと、きれいな机が2つと、ぐちゃーっとしたのが1つ。
「1つ目の机の彼は今度昇進するんだ。すっごくきれいで整ってるでしょ。僕も掃除がしやすくて助かってる。2つ目の汚い机は、1つ目の机の彼より先輩のはずなんだけどずーっとこの位置。3つ目の机はどう思う?」
ぱっと見た感じはきれいな机です。きれいだと思いますけど・・・と私が言うと彼は、
「確かにこの机もきれいなんだけど、彼は少なくとも僕が掃除をしている1年間、物の位置を全く動かしてないんだ。このファイルはいつもここ、この写真はいつもここ、この人形もいつもここ。この机の彼もずーっとこのフロアにいるんだ。」
へぇーっ、言われてみれば面白い。
「僕の意見だけど、ビジネスをうまくやるには自分を管理する能力と柔軟性、両方が必要なんじゃないかなあと思うんだ。僕も自分のカフェをやるときには気をつけようと思ってる。」
その後彼はちょっと照れくさそうに、忙しいんだけど週2回は彼女とデートに行くんだ、と教えてくれました。2人とも忙しいけれど、何とかして時間を合わせているそうです。聞いていてなんだかほっこりしました。


まだまだ景気はよくないけれど、彼のカフェ、私はうまくいきそうだなあと思うんです。
夢に向かって頑張る彼の話を聞いて、私まで元気になれました。
さて、今日も夕方から仕事です。彼を見習って、根性出して頑張るぞ!


私の机はぐちゃぐちゃです、という方。
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(Noby)