自転車に乗っている時、飴やガム感覚でポケットから取り出したニンジンを1本丸ごとボリボリ食べる。ポッキーの如く。

大半の人が「また何を突然言い出すのか?」と思ったことでしょう…。
これはふと思い浮かんだ私の気まぐれなお話ではございません。
さすがニュージーランド!!実際のお話しです。しかし、ここでは誰も騒ぎませんし、二度見もしません。三度見をしたのは私だけ。どうやらあたり前のことのようです。
市内中心部の交差点を渡りながらリンゴを丸かじりしている人、信号待ちをしながら洋ナシを丸かじりしている人、バナナを食べながらスーパーで買い物をしている人、これは日常茶飯事。しかし、自転車とニンジンの組み合わせは初めてで、それがまた美味しそうに見えるのです。ニンジンも「私は美味しいんです!」と自信を持っているように感じました。
ニュージーランドのニンジン、すごく美味しいのは事実。初めてここでニンジンを食べた時、その甘さにビックリしたのを覚えています。調理するよりも、生やBBQなどでシンプルに食べた方が甘さを感じられるのです。正直、ニンジンをこれほど美味しいと思ったことは今までありませんでした。

ここの人は本当の素材のおいしさを知っているのかもしれません。どんなお菓子よりもジュースよりも、果物や野菜の方がおいしくてやさしいおやつだということも。
今までNZのシンプルさには驚き、私には日本が多種多様で複雑に感じられ、それとは逆で簡単で物足りないと思ったこともありました。例えば、お店ひとつをとっても日本ほど多くの種類のお店はありません。北島南島、どこを周っても同じお店で同じ内容。人口も少なく需要も多くないのだろうが、本当に必要なものが何かを知っている気がします。
シンプルでいられるということは、ごまかしのきかない自信がそこにはあると思います。
あの時のニンジンがシンプルに食べられているほど美味しいという自信があるように。
そんなシンプルなニュージーランドで、私はシンプルになれないままここにいる。考え方も生活の仕方も…。そもそもシンプルになるべきなのか?それは良い面もあれば悪い面もある。そして人それぞれの考え方がある。
もはやそんなことを考えること自体シンプルではないことに気付く。
そして、また複雑な世界へ…。
どんなに複雑な世界に迷い込んでも、なにか一つ自分にもシンプルなものが、自信のあるものができればいいな。

そんなことを考えてスーパーに買い物に行ったら、店頭に並んでいる野菜も果物も皆、美味しさという自信を持って、ピカピカと光って見えました。

ニュージーランドのニンジンに学ぶ。

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(Lisa)