リスニングとリーディングのセクションから成る990点満点のこのテストは、リスニング・リーディングに加えてスピーキングとライティングも試されるIELTSに比べるととても易しいと言われています。(NZではIELTSが一般的)
しかし、いくら易しいとは言え、日本で860点を超える人は約1%と、さすがにそれだけの高得点を取るのは至難のわざ。
好奇心旺盛な私は、そんなTOEICテストとはいったいどんなものかと、NZに来る前に
1度試験を受けてみたのです。学生の頃から大の英語嫌いで、それまでずっと英語を避けてきた私は、さっぱり訳の分からない活字(英字???)に圧倒され、問題の意味すら分からないままあっという間に2時間が終了し、案の定325点という哀れな結果に終わったのです。
このTOEICの点数を何とか上げようと、語学学校のジェネラルコースを卒業した後、別の学校で5週間の集中トレーニングを受けることにしました。
授業の初日、やや緊張ぎみの私たちの前に先生が現れ、「ようこそTOEICコースへ。これから5週間、どうやって良い点をとるか、勉強の仕方のコツを教えるから頑張って勉強してくれよ。なぁーに、大丈夫TOEICはゲームみたいなもんだから方式さえ解れば問題ないよ。けど中にはトリッキーな問題もあるからね。君達は教科書英語しか勉強していないだろぅ?だから簡単に引っかかっちゃうんだなぁ。だから800点をなかなか超えられない。」
え、はっ、はっぴゃくてん・・・て???
もしかして、このコースってそんなのハイレベルなものだったの?
どうしよ、私かなり場違いだよね。
まさかみんなのレベルなんて聞いたりしないよねぇ。
「300点台です」なんて口がさけても言えないよぉ・・・。
そういえば来てる子たちもみんな超頭良さそうだよ。
あー、ヤバイどうしよぉぉぉ・・・(T_T)
そんな不安をよそに、早速5週間のTOEICコースがスタートしたのでした。
日本人の弱点と韓国人の弱点が似たようなところにあることから、生徒は日本人と韓国人のみ。みな真剣でクラスはまるで大学受験を控えた受験生のよう。
ジェネラルコースとは違い、ひたすら講義を聴くという形式の授業の上、シャイなアジア人の性格も手伝って、お互いの名前も知らないままあっという間に3週間が過ぎてしまいました。
4週目に入り少しずつクラスが打ち解けてきたある日、隣の席の女の子が突然こう言い出しました。
「私さー、ホントにバカなんだけど今まで『first of all』を『ファースタブル』っていう形容詞だと思ってたんだよねー。
形容詞って〜bleがよく付くじゃん(笑)!?
それで一生懸命辞書で調べたけど、そんな単語どこにもなくてさー。やっと最近に
なって『ファーストオブオール』だって知ったのぉ(^^+)」
すると向かいの女の子が
「分かる分かるー。私なんてずっと『フェスティバル』だと思ってたもん。先生がいつも言うじゃん。それでなんでいつも話し始めに『フェスティバル』って言うんだろう、って思ってたんだけど、これは何かきっと別の意味があるに違いないと思っていろんな辞書で調べたのね。けどやっぱどこにも載ってなくてさー、そしたらキウイのフラットメイトに『それはフェスティバルじゃなくてファーストオブオールじゃない?』って言われて爆笑されちゃったー(^^;)」
それをきっかけにクラスは一気に和やかなムードになり、また別の子が
「あははー、あるあるそういう経験。けど辞書に『それはファーストオブオールの聞き間違えではないでしょうか?』って書いてあったらかなりイケてるのにねー(^^)」(爆笑)
・・・こんな会話が交わされたその日、初めて何人かでバーに飲みに行き、聞き間違えた単語の話や失敗談に花が咲いたのでした。初日に私が焦ったように実は皆「自分は場違いかも!!」と思っていたそうです。(^^)
(ちゃやんこ)